漢方治療を保険診療で受けるなら要チェック!知っておくと損しないこと

保険証を手に持つ人物のイラスト。受診の準備をしている様子を表現

この記事はこんな人におすすめ

  • 当院のオンライン漢方内科を受診予定の方
  • 処方される漢方薬が医療保険適用か知りたい方
  • 市販の薬を保険適用で処方してもらえるか知りたい方
  • 思い通りの処方薬にならず、モヤモヤしたことがある方
  • 「自分に合う漢方薬」を探してネットで情報収集している方
「自費だと高くつくから保険を使って、漢方薬を安くもらいたい」

「友達/ネットのおすすめ漢方がほしい」

「痩せる漢方がほしい」

最近、こうした目的で当院のオンライン診療を希望される方が増えています。

一方で、受診後に「希望の薬が出なかった」、「自由に選べないなんて知らなかった」と驚かれることも。

「保険が使えるのは嬉しいけど、自由に薬が選べないって本当?」

そんな疑問を持つ方も多いですが、実は保険診療だからこそ、“本当に合う漢方薬”に安心して出会えるんです。

このコラムでは、医療保険を使って漢方治療を希望する方が、損をしないために知っておきたいポイントをまとめました。

「保険診療」とは?

日本では、国民全てが公的な医療保険に加入し、病気やけがをした場合に「誰でも」、「どこでも」、「いつでも」保険を使って医療を受けることが基本とされています。

これは、健康保険証を使うことで、診療費の一部を国が負担してくれる仕組みです。

たとえば、3割負担の方であれば、診察や処方にかかる費用のうち残り7割は公的な医療保険(=税金や保険料)でまかなわれています

保険証を持っている=保険診療?

保険診療では、「患者さんの希望だけ」ではなく医師が「医学的に必要」と判断した医療行為であることが保険診療の条件です。

処方薬についても同じで、「医学的に必要」と医師が認めた場合に限り、医療保険制度のルールに沿って保険が適用されます。

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保険診療とは・・・
「医師の判断に基づいて、医学的に必要な治療を医療保険制度のもとで提供する」ものです

つまり、「医師が診察のうえ、医学的に必要」と判断し付けた傷病名に沿って、診療および処方が行われます。

保険診療はどこでも同じ価格?

よく誤解されるのが、「この病院は高い/安い」といった点です。

実際には、保険診療の診察料や処方にかかる金額は、全国一律で国が決めているため、病院やクリニックごとに自由に価格を設定しているわけではありません。(※自由診療は除く)

💡
この制度により、費用面の不安を減らしながら、医師の専門的な診察のもとで安心して“今の自分に本当に合った”漢方治療を受けることができます。

漢方薬は保険適用になる?

紙の上に盛られた漢方薬の顆粒。粉末状で茶色い粒が特徴的な医療用漢方薬(保険適用内)

はい、医師の診察を通じて、「現在のからだの状態に必要」と判断された場合には、処方可能です。

木の香往診クリニックのオンライン漢方内科では、保険範囲内で漢方薬を処方しています

保険診療で希望の薬はもらえる?

「この漢方薬がほしい」「以前に使ってよかったからまた欲しい」といったご希望がある方も多いかと思います。

ですが、これは自由診療や市販薬のように“自分で選ぶ”スタイルとは異なります。

保険診療では、医師が診察を通じて「必要」と判断した薬を処方するため、ご希望と異なる処方になることもあります。

でもご安心ください!

医師は診察結果をもとに、現在の体調や体質に合った“最適な処方薬”をご提案しています。

💡だからこそ…

自由に選べないのは一見不便に感じるかもしれませんが、
医師の処方 = 今のあなたに合った治療 × 経済的な安心

つまり、「必要な薬を、無理のない費用で」受けられることこそ、保険診療の大きなメリットです。

💡まとめ

保険診療は「選べない」のではなく、「専門の医師に選んでもらえる」安心な仕組み

お財布にも体にもやさしい、それが保険診療の魅力です。

希望する漢方薬が処方されないことがある理由

たとえば次のようなケースがあります:

  • 知人が使ってよかった漢方薬を試したい
  • ネットで見た「自分の症状に合う漢方薬」を処方してほしい
  • 過去に飲んでいた漢方薬を出してほしい

漢方治療は、西洋医学とは異なり症状に対する処方ではありません

💡
東洋医学では、「今のからだ全体の状態」や季節などに合わせて処方 することが基本です。

そのため、 数週間飲んで変化がなかった場合や、体調・季節の変化に合わせて改めて最適な処方に変更 します。

また、「市販薬で効果を感じた漢方薬を、保険で出してほしい」とのご希望の場合は、合う生薬が分かり参考になることもありますが、下記の理由により希望に添えないケースもあります。

  • 医師が診察した結果、他により適している薬がある場合
  • 市販薬と全く同じ薬が保険適用内に無い場合は、類似薬にてご提案しております
  • 診察の結果、適応外と医師が判断した場合等

どうしても希望薬が欲しい場合

どうしても飲みたい漢方薬が決まっている場合は、自由診療(保険適用外)か、ドラッグストアなどで購入をおすすめします。

※2025年4月現在:あいにく当院では、保険診療のみ対応可能のため自由診療は対応しておりません

市販の漢方薬・漢方専門薬局・医療機関の漢方治療の違い

医療機関のイラスト。保険適用の診察や処方が受けられる病院の外観を表現

漢方薬にはいくつかの入手経路があり、それぞれ目的や内容が異なります。

■ ドラッグストアなどで購入できる市販の漢方薬(保険適用外)

  • 一般用医薬品として自由に購入可能
  • 成分の配合が医療用より50~80%と少なめ
  • 漢方専門の医師の診断ではなく、自己判断で選ぶ

■ 漢方専門薬局(保険適用外)

  • 医師ではなく、薬剤師等との相談により処方提案される
  • 煎じ薬や生薬を組み合わせるなど、個別対応もある
  • 自由診療となるため費用は自己負担(高額)

■ 木の香往診クリニック 漢方内科(保険適用)

  • 漢方専門の女性医師が診察し、必要と判断した場合に保険で処方される
  • 症状や現在の体質など全体の状態から判断し、相談のうえ最適な処方を行う
  • 医学的管理のもと、必要に応じて処方の見直しも行う
💡
それぞれに役割や特徴がありますので、目的や症状に応じて受診・相談先を選びましょう。

「自分で調べた」が落とし穴?損しないための4つの心得

東洋医学では、今の状態や季節などから最適な処方を見立てていきます。

より効果的な診察につなげるために、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。


①「困っている症状」を伝えましょう

例:「生理痛がつらい」「不安感が強い」「体が冷える」「眠れない」など

自分で薬を選ぶのではなく、今つらい症状・生活に支障があり困っている不調を医師に伝えることが大切です。

診察中は「こんな症状も話していいのかな?」と思わず、困っている不調について遠慮なくお話しください。

② 過去に服用した漢方薬の情報を伝えましょう

これまで飲んでよく効いた漢方薬(市販薬で効果を感じた漢方薬)、逆に体に合わなかった薬があれば、お伝えください。

漢方薬の名前が正確に読めなくても大丈夫です。

初めの数文字の漢字だけでも分かれば共有しましょう。

どの生薬が合いそうか、避けたほうが良いかを判断する重要なヒントになるため、最適な漢方薬が見つかりやすくなります。

※過去に飲んだ時の症状と異なる受診であっても問題ありません


③ 漢方専用問診票を回答しましょう

東洋医学では、気・血・水や五行といった全体のバランスを見ながら診断・処方を行います。

「少しの違和感」「なんとなく不調」以外に、心身全体の状態は大切な情報になります。

予約後のWEB問診票は「漢方専用問診票」を選択してください。


④「自己判断」より「医師との共有」がカギ!

近年はネット検索やSNSで簡単に情報が得られるようになり、「この漢方がよさそう」「これはいらない」とご自身で判断される方が増えています。

しかし東洋医学では、医師が今の体調・体質・季節などに応じて最適な処方を提案することが基本です。

当院では、国家資格を持つ医師が西洋医学と漢方医学の両面から専門的に診療しています。

舌、生活リズム、体質などを多角的に診たうえで、一人ひとりに合った処方をご提案します。

「私に合う漢方薬はこれだと思う」ではなく、「いま、こんな症状に困っている」と伝えていただくことが、最適な診療への第一歩になります。

よくあるご質問(FAQ)

Q&A形式でよくある質問に答えるイメージのイラスト。質問と回答を示す吹き出しが描かれている

Q1. 保険診療で漢方薬はどこまで対応できますか?

A. 医師が必要と判断した医療用漢方薬であれば、健康保険が適用されます

ただし、すべての漢方薬が保険対象ではないため、ご希望があっても処方できないこともあります。

💡
漢方薬には多くの種類があり、日本で承認された約300処方(一般用漢方製剤)のうち、 保険診療を行っている医師の処方によって用いる場合は、約150処方の漢方薬に健康保険が適用されます。

Q2. 希望の漢方薬がある場合、事前に伝えた方がよいですか?

A. はい。ただ、あくまで参考情報としてお伝えください。

診察結果によっては処方が変わることもあるため、その際はご了承ください。

Q3. 市販の漢方薬を保険で処方してもらうことはできますか?

A. 同じ名前の薬であっても、医療用と市販用では成分や分量が異なることがあります。

保険診療で処方可能かどうかは、医師の判断と制度上の条件、漢方薬の流通状況により決まります。

まずは診察にて医師にご相談ください。

Q4. 保険内で出せない漢方薬の場合は?

A. ご希望の漢方薬が保険適用外である場合は、保険診療の範囲内で類似のお薬をご提案します。

ただし、類似薬ではなくどうしてもご希望の漢方薬の服用になりたい場合は、自由診療、または市販薬のご選択をお願いいたします。

※現在、当院では保険診療のみの対応となっております

Q5. オンライン診療でも漢方薬を処方してもらえますか?

A. はい、当院ではオンライン診療で保険適用による漢方薬の処方を行っています。

「漢方専用問診票」の事前記入や漢方専門の医師によるオンライン診察を通じて、最適な処方を行っております。

Q6. 処方薬の効果効能が自分の症状と異なるが、大丈夫?

A. 漢方薬は、西洋薬と異なり「症状」や「病名」だけで一律に処方するものではなく、患者さん一人ひとりの体質や症状の出方、全体のバランスなどを総合的に診て処方薬を選びます。

そのため、一般的にインターネットや薬剤添付文書などに記載されている効能・効果とは異なることがほとんどです。

当院の漢方オンライン診療を通して処方した薬は、受診時の体調や体質等に最も適していると判断した上でお出ししてるため、ご安心ください。

Q7. 継続して薬をもらうには、毎回診察を受ける必要がありますか?

A. 継続して漢方薬を受け取るには、原則として毎回医師の診察を受けていただく必要があります。

漢方薬は、西洋薬のように「病名や症状」だけで一律に処方されるものではなく、体質や症状の出方、全体のバランスを総合的に診て処方薬を判断します。

そのため、漢方薬を服薬してからの体の変化や季節等に応じて、医師がその都度診察を行い、最適な処方に見直します。

まとめ

健康保険を活用して、“本当に合う漢方”を見つけましょう

東洋医学は、最適な漢方薬を判断するには病名や症状ではなく「今の体の状態全体」を重視します。その判断には、体質だけでなく季節の影響や、生薬同士の相性まで含めた複雑な見極めを行っています。

💡
漢方薬を選ぶには、東洋医学の専門的な視点が必要です

実は...最適な漢方薬の見極めは自己判断では難しく、東洋医学に精通し、長年の臨床経験をもつ漢方専門の診察が欠かせません。

当院では、日本東洋医学会 漢方専門医が在籍し、一人ひとりに最適な診療を提供しています。

※漢方薬にも副作用がありますが、漢方専門の医師が処方することで最小限に抑えられます

漢方薬のよくある誤解:

漢方治療は長年飲み続けると思われがちですが、一度決まった処方をずっと服薬し続けるものではありません。

状態や季節の変化に応じて、医師がその都度見直し、最適な処方を提案します。

💡
継続的な診察こそが、いつでも“あなたに合う漢方”が服薬できるポイントです 漢方専門の医師だからこそ、変わりゆく体調や季節の変化にも寄り添いながら、安心して服薬を続けていただけます。

料金について:
「漢方薬は高そうで不安…」と思われがちですが、当院は保険診療のためを安心して受診いただけますます。

日本東洋医学会 漢方専門医が在籍している当院では、漢方専門の女性医師による継続的な診療サービスと、経済的な安心が両立できる心強い選択肢です。

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オンライン漢方内科